2004年06月17日
マンボウのこわだ ( 岩手県 )
呑ん兵衛横町のほとんどの店は女性の名前が付いた店だ。その店の一つに入ってみる。妙齢の、いやちょっと高齢の屋号である「たみ子」さんと思われる方がカウンターの中に。店はカウンターが6席ほど。この旅で初めての外飲み。
釜石のおすすめというマンボウ料理を出してもらう。右側のわさび醤油で食べたのはマンボウの刺身。何かで食べた事のある味に似てるけど思い出せず。食感はタコの柔らかいのを軽くしゃぶしゃぶにして、ちょっと厚めにしたような感じだけど、噛みきれないという感じではない。
左の焼き物は「こわだ」。たぶんこわだというのは訛っていて、訛らなければ「こはた」。マンボウの腸を焼いたもの。コリコリしていておいしい。腸物だから、モツのような感じ。最近の焼き肉屋で「こりこり」とか言って、牛の何番目かの胃を出すけど、それに似てるかな。
たみ子さんとお話。やはり昔はにぎわっていたらしい。店を出したくてもなかなか空きがなくてかなり待ったとか。それが今は飲みに来る人も少なくて不景気だとか。昔は製鉄の人とか、水揚げに寄った船乗りの人とか、市内の大工さんとか、いろんな人が来たらしい。
船の人が来なくなったのは、話があるらしい。昔はサンマ漁船とかは釜石港に良く水揚げに来ていた。その時に魚屋さんが、その魚を安く買いたたいて買ったのだけど、お客さんが好んで買わないような小ぶりのサンマを、漁師がいる目の前で「なげだ」らしい。なげだというのは訛りで、標準語にすれば「すてた」という事。せっかく命をかけて魚を捕ってきたのに、目の前で魚屋さんに捨てられた魚を見て、それ以来、釜石には水揚げのための船はほとんど入ってこなくなったそうだ。釜石ではなく隣の宮古とかに行ってしまうらしい。だから今でも釜石の魚屋は隣町とかから高く仕入れたりしてるらしい。
新日鉄の話はあまりしてくれなかったけど、町中が製鉄工場だったらしい。この横町の裏も工場だったんだって。